PETとその利点・欠点について

PETは、ポジトロン・エミッション・トモグラフィーの略称です。
一般的には、ポジトロン断層法、あるいは陽電子放射断層撮影などと呼ばれています。
がんの早期発見をはじめ、治療後の経過観察などに広く用いられています。
PETでがんを発見するには、まず放射性薬剤を注射し、体内に行き渡らせます。
その後、体内から放出される放射線をPETカメラで撮影します。
PETは、がんの特性を利用した検査方法です。
がんは自身の成長と増殖のために、たくさんのブドウ糖を取り込む性質があります。
正常な細胞に比べると、3倍から8倍ものブトウ糖を取り込むといわれています。
PETでは、ブドウ糖が多く集まっている部位を特定し、がんを発見する手がかりとしています。
PETでの検査を受ける場合は、検査の五時間前から絶食します。
また、飲み物は水かお茶などの甘味がないものに限られます。
スポーツドリンクやジュース、ガムなど、糖分を含んだものを飲むと、正確な検査に支障が出るので避けましょう。
検査の初めに、まずFDGという検査薬を静脈から注射します。
このFDGの正式名は、フルオロデオキシグルコースといいます。
ブドウ糖に良く似た構造の物質で、放射性フッ素がつけられたものです。
FDGを注射した後は、30分~一時間程度安静にします。
この際、会話や読書などは控える必要があります。
FDGの成分が喉や目の筋肉に集まると、本来の病巣を発見することが難しくなるからです。
安静時間の後は、トイレにて排尿を済ませます。
これは、余分な薬剤を尿と共に排出するためです。
それからPETでの撮影が行われます。
細長い台の上で仰向けになり、なるべく身体を動かさないようにします。
その状態のまま、ドーナツ状のPET機器の中を通過しつつ、身体内を撮影します。
体内にがん細胞がある場合、安静時間の間にFDGのブドウ糖成分も取り込まれています。
FDGには放射性フッ素がつけられており、一種の標識としての役割を果たしています。
これにより、病巣の位置や腫瘍のサイズ、良性か悪性化の判別などが可能になります。
PETのメリットには、さまざまなものがあります。
まず、30分ほどの撮影時間で全身を調べられることです。
ですから、離れた部位に潜んでいるがんや、治療後の転移や再発を判断するのが容易です。
また、薬剤を注射して横たわるだけなので、苦痛や不快感がほとんどありません。
さらに、CTやMRIでは調べにくい1センチ程度のがんを見つけることも可能です。
PETのデメリットは、見つけにくいがんには対応が困難であることです。
たとえば、ごく早期のがんや直径3ミリ以下のごく小さながんには、薬剤の成分が集まりにくいのです。
また、脳や心臓は、もともと大量のブドウ糖を取り込んで消費しています。
ですから、がんを発見するのが難しいといわれています。
それから、腎臓や膀胱、尿管は薬剤の排出経路です。
薬剤成分の影響によって、がんかどうかの判別が難しいケースがあります。
そして、肝細胞がん、胆道がん、白血病などの発見には、効果が得られにくくなっています。
PETはがん発見のために有用な方法の一つです。
今後のさらなる研究により、技術と精度の向上が期待されます。